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水野情報コンサルティング(MIC) 水野 誠
生成AIの話題が製造業の現場でも聞かれるようになった。「業務にAIを使いたい」「システムにAIを組み込みたい」という声をお客様からいただく機会が増えている。
しかし私はその度に、一つの問いを持つ。
「AIに何を学ばせるつもりですか?」
AIは魔法ではない。学習するデータが整理されていなければ、AIは何もできない。そして私が長年携わってきた製造業の業務システムを見渡すとき、最も整理されていないものが一つある。
ビジネスロジックだ。
発注の判断基準、在庫の引き当てルール、価格計算の条件分岐、例外処理の手順──これらは「業務の判断の結晶」であり、その会社固有の競争力の源泉だ。
では、このビジネスロジックは今どこにあるか。
正直に言おう。多くの場合、それは担当者の頭の中とコードのあちこちに散らばったメソッドの中にある。
私は製造業のお客様のシステムを開発・保守してきた。その経験から言えば、ビジネスロジックが体系的に整理されているシステムにほとんど出会ったことがない。仕様書は実態と乖離し、コードを読まなければ業務ルールがわからない。担当者が退職すれば、その知識は消える。
これはシステムが古いからではない。整理する機会と手法がなかったからだ。
4D社はORDA(Object Relational Data Access)を「データアクセスの革新的な方法」と説明している。それは正しい。しかし私はもう一歩踏み込んで言いたい。
ORDAの本質は、ビジネスロジックに「住所」を与えることだ。
DataClassクラスにビジネスロジックを集約することで、何が起きるか。
これは単なるコードの整理ではない。業務の判断ルールが、誰でもアクセスできる場所に永続化されるということだ。
野中郁次郎が言った「暗黙知を形式知に変換することが組織の競争力を生む」という理論を、ORDAは技術として実装できる。
話をAIに戻そう。
ビジネスロジックがORDAのDataClassに集約されているとき、AIは何ができるか。
まず、既存のビジネスロジックをAIが解析・文書化できる。コードの構造が整理されているほど、AIの解析精度は上がる。「このクラスのロジックを日本語で説明して」という使い方が現実的になる。
次に、AIの判断にビジネスロジックを組み込める。セマンティック検索・異常検知・需要予測など、AIが判断するためのルールがDataClassに整理されていれば、AIとビジネスロジックが自然に連携できる。
逆に言えば、ビジネスロジックが散らばったままでは、AIはその散らばりを引き継ぐだけだ。整理されていない知識をAIに渡しても、整理されていない答えが返ってくる。
私はこの問いを、4Dを使うすべてのデベロッパーに投げかけたい。
あなたが開発・保守しているシステムのビジネスロジックは、今どこにありますか?
メソッドの海に散らばっていませんか。担当者の経験知に頼っていませんか。仕様書が実態と乖離していませんか。
もしそうなら、ORDAへの移行は「技術のアップグレード」ではなく、「お客様の組織知を守る取り組み」として提案できる。
大規模なシステム刷新は必要ない。新しい機能からORDA方式で実装し、変更頻度の高いビジネスロジックから順にDataClassへ集約していく。その積み上げが、いつかお客様の「システムを見れば業務がわかる」という状態を作る。
AIブームは4Dデベロッパーにとって逆風ではない。ビジネスロジックを整理するための、最高の追い風だ。
私はこれを理論として語っているのではない。製造業の現場で見てきたことを、言語化しようとしている。
4DのORDAは、その言語化を技術として支えてくれる唯一の基盤だと、4D歴35年の私は確信している。
この考えに共感するデベロッパーがいれば、ぜひ意見を聞かせてほしい。国内の4Dデベロッパーとこの議論を深めていきたいと思っている。
水野情報コンサルティング(MIC) 水野 誠
mizunoinfo.com
2026年6月
お客様のシステムが「優秀工場見学会」に選ばれていました!
久しぶりにお客様のホームページを見ていたら、新着情報に目が止まりました。
「当社本社工場が、大阪府工業協会の「ものづくり優秀6工場」の一つに選ばれました。」とありました。
そして見学会が行われたようです。
その見学のキャッチコピーが「独自の生産システムによる生産の効率化がスゴい!」です。
http://www.uni-techno.co.jp/new.html
システムの開発をお手伝いさせていただいている私どもとしましても、このように評価されたのはとても喜ばしいことです。お客様と共に一歩先を見据えてこれからも着実に取り組んでいきたいと改めて思いました。
お客様は三重県の株式会社ユニテクノ様です。
大阪府工業協会は約1,200 社、大阪府下の製造企業を中心に、主に関西一円の事業所・団体で構成されています